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END GAME ACT.9 感想その6

  1. 2012/04/02(月) 01:49:33_
  2. END GAME 2012
  3. _ tb:0
  4. _ comment:1
 青木のはなし

 コメのお返事遅れててすみませんっ。


 ☆ちょびっと追記した4/3
 
 






 青木が、「薪さんは自分が嫌い、薪さんは自分が憎い、薪さんは自分が赦せないと思っている」と思うようになったのは・・・・・・。


 清水先生は意味のないことはなさらない。
 という、半ば「妄信」に基づき、青木の突然の「オレは薪さんのことはなんでも分かるんです」発言について、考えてみた。


 確かに、薪さんは自分が嫌いで自分が憎くて自分が赦せないだろう。

 それは、若い頃からの信念で積み上げてきたはずの経験、それがもたらすことになった結果、運としかいいようのな因縁、背負わなくてはならないと自分に課す試練、その他色々、ひっくるめて「自分の存在そのもの」といえる。

 だが、青木には、今まで、つい最近までそうは見えてはいなかったはずだ。
 薪さんは神様だったのだから。


 お姉さんたちが殺されて、なお、薪さんは神のままだった。
「狂っていない誰か」その誰かである薪さん。 なぜ薪さんだけが狂っていないのか? 薪さんが、常人には乗り越えられない事件を生き延びてきたから? ちょっと失礼な気もするが、年若い部下からみれば、そんなものだろう。


 ちなみに、人間というものは、22歳と34歳の差はとても大きいが、32歳と44歳の差はそうでもなくなり、42歳と54歳ではさらに縮まる。まあ、アキレスと亀と同じで、決して超えられるものでもないが。


 青木は、真相が分からないながらも自分が第九にいることが原因で、お姉さんたちが殺されたのだと、激しく罪悪感を感じていた。葬儀の時、舞ちゃんの相手をしている時、このとき、まさに青木は自分が憎くなり、自分が嫌いになり、自分が赦せないと思っていることが描かれている。

 そして、雪子さんは遠ざけることで守ろうとし、母親と姪は近くにいることで守ろうとした。では、薪さんは、と、雪子さんに問われて、恋人でも家族でも親類でもない、上司である薪さんのことは、
「薪さんはいっしょに戦ってくれる人です」
 と青木は言った。
 今、青木自身が危険の中にある時、薪さんは、「いっしょに戦ってくれる」つまり、「青木自身の戦い」に「青木のために」、最善の指揮をとってくれる人だという意味で、青木はああ言ったのだと思う。

 ところがその後すぐ、薪さんになれなれしい滝沢にむかついていたりするので、青木の「薪さんは自分の戦いに援護射撃してくれる人」ではなく、「薪さんは他の戦線を放り出して自分のために助けに来てくれる人」という意味かと思ってしまう。

 薪さんは、自分のものではないと言いながら(こういう考えが出てくるとこもちょっとどうかと思うが)、青木の「妄信」は少しずつ独占欲が強くなり、そして、同時に「薪さんの話す言葉だけを信じている」という言葉で自分を縛り、また薪さんに青木の妄信の対象に相応しい存在であろうとする暗示をかけたのだ。「応えてやりたい」と。


 ところが、滝沢の差し金もあって、青木は薪さんの真意を知り、一緒に戦ってくれるはずの、神様の薪さんの裏切りとも言える行為を認めることが出来ずに、ぶんなぐってしまった。

 このときの青木の一言が、「ご存じでしたよね」
 自分の思いを、事件を、一番良く知っているはずなのに、一生懸命やってきたのに、どうしてその自分を騙したのか。
「薪さんは俺の神様で、嘘なんかつくはずがない。一緒に戦ってくれるはず」という独りよがりの思い込みが、薪さんは上司であるという現実を越えた。


 青木が薪さんを殴ってから、薪さんが姿を消すまで、1週間~10日程度、間がある。
 理解不能なのは、その後青木が普通に仕事に行っていることだ。
 (何の捜査を当てられているのだろう?)
 が、とりあえず、そういうことなので、そういうことで。

 この間、青木は何を考えていたのだろう。少なくとも、「薪さんの言葉だけを信じる」「薪さんは一緒に戦ってくれると思う」ことが「甘え」であると、山本に指摘されたとき初めて思い知らされている。

 そして、携帯GPSの受信と、「滝沢がいない」ということで、薪さんの裏切りに不信感たっぷりだったはずの青木は、一気に薪さんのために「一緒に戦う人」になってしまう。すべての状況を放置して、薪さんのためだけに行動してしまうのだ。

 なぜ?
 この男は、「自分には薪さんを助けに行く、薪さんの近くへ行く資格があるか」とほんの少しの自問もしていない。

 雪子さんにも、「自分が薪さんの口から聞きたいから」と、まず、自分が納得できないという気持ちを満たすために必要な材料として薪さんが必要なのだと言っている。あまりにも自分本位に過ぎる。山本に指摘されたことが、ちっとも分かっていない。

 第一、薪さんは青木のために行方不明になったわけではない。

 
 確かに青木はお姉さん達の死に苦しんだろう。だが、なぜ追い詰められない? 薪さんがいたからか? 青木の苦しみはまるで一過性のもので、薪さんに裏切られてさえ、また激しく後悔や自責の念に襲われることはなかった。

 それが、薪さんが滝沢を撃つのを見、そして自分を殺せというのを聞き、・・・。
「自分を追いつめないで。責任を独り占めしないで。人が殺されるのはあなたのせいじゃない」
「自分を嫌いにならないで。自分を憎まないで。自分を赦してあげて」

 もし、青木がこれまでの自分を省みて、薪さんのことが分かったというのなら、そのきっかけは、まさに山本に「甘え」を指摘されたことにある。

 このうち、ひとつ以外は、青木が薪さんに言ってもらいたかった言葉なのかもしれない。お姉さん達が死んだのは自分のせいじゃない、だから、そのことで追いつめられたり、自分を憎んだりすることはない、何もできなかった自分を赦せと。
 だが、青木は、これまでの薪さんの背負ってきたものすべてに対して言ったはずなのだ。貝沼のこと、鈴木のこと、天地のこと、そして、お姉さん達のこと。
 ところが、実のところ、どう読み直しても、青木が飛び出してから、薪さんが死にたくなる原因、薪さんがこれまで背負って苦しんできたものに対して理解したと思える流れがない。薪さんが殺されると思って飛び出し、岡部さんには薪さんが殺さないようにと言われ、青木が見たのは滝沢の頭を撃ち、自分を撃ってきた薪さん。

 そして、レベル4と5のデータを奪取して消えた薪さんが死にたくなるのは、これまで背負ってきた秘密の重み。一人で墓まで持って行くには重すぎ、かといって、うかつに死んだらMRIで見られてしまうので、それもできない。何より、贖罪のために、生きて捜査にその身を捧げてきたこれまでを捨ててさえ、解放されたいという、極限の魂の叫び。


 疲れ切ってひび割れた心にしみ込んでいく、あたたかい言葉のはずなのに。

 どうしても青木がこの言葉を紡ぎ出した心の変遷が読めなくて、うわっつらしか感じることができなかった。
 次号で、青木が薪さんに色々謝ったり、こんなことを考えたとか話をしたら、そうしたら、よかったと思えるかもしれない。



 確かなことは、青木にとって、薪さんは神様から人間になったということ。
 蜘蛛の糸は、もう、必要ない。





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comment

鍵拍手コメントくださったAさま

  1. 2012/04/05(木) 23:18:15 |
  2. URL |
  3. 第九の部下Y
  4. [ 編集 ]
Aさま。こんばんは。
何事もなくさらりと元通り。

>青木は今迄、自分のことで精一杯で薪さんが何を考え、何に苦しんできたのかわからなかった。だから、薪さんの口から聞きたい、と雪子さんに言いました。そして、薪さんが泣きながら僕を撃てという姿を見て一瞬で薪さんの苦悩を理解した感じでしたね。

まとめて聞くと、そのイキナリ感が、まるでお釈迦様の弟子の話のようです。最後は必ず突然「そして○○は真理を悟った」で終わるんです(笑)
悩みがあるなんて思ってもいなかったくせにー急にーーーっ!


>清水先生は細かい心情の変化を語らせないので致し方ないのかなと思いますが。

特にEND GAMEは状況の繋がりでできているので、合間に何を考えているのか分からないところが・・・。

>私が気になるのは青木自身も姉夫婦を死なせた罪悪感から解放され、結婚して子供をつくるのか?ということです。

相手が雪子さんでなければ、10年くらいしたらありうるかもしれませんね。
でも、雪子さんとは、もう青木とはないと思います。清水先生が言う役割とは別にしても、雪子さんはそういう女性に描かれていると思うので。

>イプさん的にはハッピーエンドになりますが・・長々、すみません

うーん、ま、少なくとも、雪子さんがおしかけ女房する以外はないと思いますねえ。でもしないと思うけど。
雪子さんと薪さんならありだと思いますが、全国に怒号が響き渡りそうなので、たぶんないでしょう。

ありがとうございました。



 
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Author:第九の部下Y
部下Y(イプシロン)。清水玲子先生の「秘密-トップ・シークレット-」を愛するブログです。

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