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薪さんたちのお仕事11

  1. 2017/08/15(火) 23:08:07_
  2. 薪さんたちのお仕事
  3. _ tb:0
  4. _ comment:4
 所長ともなれば、スケジュール管理をしたり電話を取り次いだりする秘書がいてあたりまえというものです。そして、若い頃美人だった有能なおばさんか、美人な若い女子か、どちらか、あるいは二人体制なのです。

 薪さんは超天才とはいえ、「秘書ポスト」があると思われるので、いらないといっても押しつけられるわけですね。雇用創出です。
 きっと本編の秘書さんは、偉いさんから電話がかかってくると「ただいま席をはずしております」「また第九に入り浸っているのか、あいつは!」とまるでしつけがなってないみたいに怒られているのでしょう。かわいそうに!!
 薪さんの秘書になると化粧のノリが悪くなってしわが増えそうです。。。。。。

 




 
 あの女は危険だ。
 新しい秘書が来て1ヶ月、薪は確信した。
 自意識過剰かと思って数週間、平静を装いつつ物証・・・はないので状況証拠・・・もないので、なるべく客観的に観察した結果である。
 まずい。こんなことで身の破滅を招いたら一生の不覚。やっと少しは前向きに生きようと思った不本意な人生の残りをさらに不本意に過ごすことになる。なんとしても防御せねばなるまい。


 薪は岡部に頼むことにした。
「今後しばらく、直接おまえが僕に相談しなきゃならないこと以外のことは、波多野を定時報告によこしてくれないか」
 薪は、気持ち小さな声で言った。
「はあ。・・・・・・外に誘ったらいいじゃないですか。こんな仕事がデートなんてワーカホリっ・・・」
「違う。まだそこまで行ってない。じゃなくて!」
 うっかり誘導尋問に引っかかりそうになったが、薪は再び声を落として言った。
「決して自意識過剰ではなく、あの新しい秘書に狙われている気がするんだ」
「ああ」
と、岡部が合点がいったような相づちを打った。
「まあそうでしょうな」
「なんだ、おまえ何か知ってるのか」
 岡部は薪の自意識の低さにあきれた。おまえを狙わない女がいると思ってんのかあ!
「いえね、前の秘書がやめることになって新しい秘書がいるっていうんで、各方面から美女が送り込まれていましたからねえ」
「送り込まれて?」
「ええ、総監が、局長級にこっそり相談して、その気のある女性職員を官房秘書課に推薦してたみたいですよ」
「その気ってなんの気だどういう気だ。仕事なのに・・・まあ、しかしそれでやたら顔も身体もレベルが高いのばかりだったのか。僕は男の秘書が欲しいって言っておいたのに」
「官房秘書課の決めることじゃ、しょうがないですしねえ。それに相手が女性ならうまく行けば情報も取れますし、弱みも握れますしねえ、やっぱり」
「捜査上のことで、上に隠していることなんかあるものか。それでなくても根こそぎ持って行くくせに。手元の美人職員を手放してでも僕から取りたい情報ってなんなんだ。第一僕の弱みとやらを握ると何がお得なんだ」
「でも、一番きれいなのを選んだじゃないですか」
「不可抗力だ。自分のためじゃないぞ、別に。いや、自分のためではあるけど」
「やっぱり」
「意味が違う。いいか、前の秘書は田城さんの4代前から所長を仕切るベテランおばさんだったから僕なんか手のひらで転がされるようなものだった。母親ともいえるくらいの年で、完全に僕がご尊敬申し上げる立場だった」
「なるほど」
 岡部は前の所長秘書を思い出した。彼女は鬼のように田城を仕切っていた。
「若い女は要注意だ。僕より見目が悪いと勝手に被害妄想に陥られて面倒なことになるのは嫌だったから、ちょうど『絶世の美女』と言っても差支えないくらいの美人だったから彼女を希望したんだ。総監や局長連中が何を考えていようと関係ないが、僕は女と顔のことで比べられるのは嫌なんだ」
 薪は真剣だったが、岡部には薪が何を言っているのかいまひとつ理解の範疇を超えていた。だが、さすがに見慣れたこの顔が、他の人間もしくは自分と同じく目と鼻と口がついているだけなのに他に比べる相手もいないような美形であったと久しぶりに改めて見直した。ふーむ。美人は3日で見慣れる、と。
「それに美人なら研究所の男どもにもてまくって、仕事以外で僕に絡む暇はないだろうと思った」
 もはや岡部には、それが用心なのか自意識過剰なのか先制攻撃なのか分らなくなっていた。やはり、顔のつくりが違うと、こうも感覚が違うものか。長い付き合いといえる仲だが、今初めて目の前のきれいな男の日常の中に非日常性を感じた。いや、俺がもてなさすぎるのか?
「波多野は別にブスじゃないけどとても彼女に対抗できるような器量では・・・」
「そこがいいんだ。じゃなくて、波多野の話は今していない」
「しましたよ、一番最初に」
「ああ、そうか」
「毎日のように波多野と部屋にこもって、美人秘書にいらぬ対抗心を燃やさせるより、こっそりデートに誘って既成事実を着々と積み上げたほうがよくないですか?」
 薪はがっくりと首を垂れた。何で岡部に気を遣われなきゃならないのか。
「・・・・・・うまく行かなかったら自分はともかく波多野の将来にも関わるから気を付けているんだ。波多野には選ぶ権利があるし、波多野にも周りにもパワハラのセクハラだと思われたら最悪だし。僕が所長でも室長でもなくてせめて5歳でも若かったらとっくに」
 そこまで言って薪は口をつぐんだ。
「とにかく、だ!、僕としてはそれはそれ、これはこれでやっていこうと思っていたところに余計な伏兵が突っ込んできた状態で不可抗力とも言うべきものなんだ。別に個人的なことに協力してもらいたいわけではないが、業務上、防犯上、協力してくれないか。波多野の教育にもなる」
 防犯? 防犯対策なのか? どこが!!! 岡部の脳裏には機動隊の格好で薪を背中にかばって仁王立ちをしている波多野の姿が浮かんだ。
「でも、教育なら若いのに公平にしないと」
「女の子じゃなきゃ意味がないし、女子は波多野しかいないだろう」
「所長が女好きだと思われますよ。しかもちょ~~~若いコ」
 岡部が超を強調したので、薪は一瞬ひるんだ。たしかに、年齢的に微妙を通り越している自覚はあった。
「・・・この際、その評価は甘んじて受け入れよう。単なる贔屓だと思われるよりいい。最悪なところ波多野自身にそう思われるかもしれないが、あっちに襲われるよりはよほどいいだろう」
「秘書なんかうっちゃっとけばいいでしょうが。あまりこだわると、かえって『本当はその気がないわけじゃない』って思われますよ」
 どうもアレだ。これではかけあい漫才だ。薪は、事態の深刻さを理解していない岡部に、究極の心配ごとを告げた。
「理性を失わない自信はあるが、この部屋で勝手に服を脱がれたら僕に逃げ道はないんだ」
 構造上、部屋には直接廊下に通じるドアがあったが、レイアウトの都合上、そこはつぶして秘書室経由でしか出入りができないようにしてあったのだ。そもそも、部外者やお呼びでない客が勝手に所長室にはいらないようにという配慮からであった。
「え、いや、そ、そんな、まさかそこまでは・・・・・・いやそしたらもし、もしですよ、波多野が自分から脱ぎ始めたらどうするんですか」
「もし?」
「もし」
 いったい何を言ってるんだ岡部は!!! だが、薪は怒鳴る代わりに本気度を示すことにした。
「その場で理性を失わない自信はあるが、もちろん場所と時間を改めてありがたく頂戴するに決まってるだろ。おまえ、彼女がいいならさっさとかっさらってくれないか」
 薪は、秘書のいるほうを顎でしゃくった。
「美人だぞ、美人。絶世の美女。僕が言うんだから間違いないし、おまえの目にもそう見えてるだろ?」
「まあ、しかし、警視総監のリード付きはちょっと」
「分った。じゃあとにかく波多野を頼む! 宜しく頼む!!」
 薪は岡部を拝み倒した。



~~~~~~~~~~~~~~~~~

お読みいただいてありがとうございました。

 薪さんは自分が美人なので女性が美人かどうかは客観的一般的評価はともかく個人的な好き嫌いには内面を重視する人なのであった。 この美人秘書さんは、職業柄、すばらしいほほえみで業務を遂行するのであるが、ついうっかり薪さんに視線が行ってしまうのを察知されて警戒されてしまうわけだ。そこへ行くと波多野は視線がストレートで、仕事中は薪さんなんか眼中に入ってない(かもしれない)ところが好ましいというか、そこがかえって狩りの本能を呼び覚ますのだった。あら、タチが悪いわ、薪さんたら。

 セクハラしないで嫌われないように迫るのはなかなか難しいものだな、うむ。自説に夢中になって接近したり、泣いてる女性に無意識に肩に手をかけたりはするが、逆に意識すると手も足もでないというやつだろう。
 薪さんがんばれ。

 ラインハルトさまも、顔のいいのは「努力して手に入れたものじゃないから」とかなんとか言って、外見には頓着しない人であったな。でもなんだかんだでけっこうな美人さんを嫁さんにしたわけだが、フロイライン・マリーンドルフが、だんご鼻の丸顔だったり、ビッテンフェルトの女版みたいなんだったら、どうであったろうか。

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comment

趣味が…

  1. 2017/08/16(水) 23:46:36 |
  2. URL |
  3. sakura
  4. [ 編集 ]
秘密ブログを色々見ててたどり着いたのですが、まさか秘密、ラルク、銀英と趣味が丸かぶりの人がいるとは!リアルでは出会ったことが無くて感動してコメントしてしまいました。

sakuraさまへ

  1. 2017/08/18(金) 23:37:28 |
  2. URL |
  3. 第九の部下Y
  4. [ 編集 ]
sakuraさま

はじめまして。ようこそいらっしゃいませ。

えーと・・・のっけから若い女にデレデレしている(まだしてないけど)薪さんで申し訳ございませんでした。

> 秘密ブログを色々見ててたどり着いたのですが、まさか秘密、ラルク、銀英と趣味が丸かぶりの人がいるとは!リアルでは出会ったことが無くて感動してコメントしてしまいました。

おおっ!
なんと銀英伝でかかった人が秘密関係にいるとは! ラルク関係はわりといるみたいですが。(sakuraさんもsakuraですね! ということは結構古いファンですか)

今、ケーブルテレビで銀英伝の再(再再再・・・?)放送を見ているところです。リメイク版も制作中らしいですね。私は古くさい画が好きなので、最近のアニメみたな顔にならないといいなー、なんて思っていますが、楽しみです。

コメントありがとうございました♪

  1. 2017/08/27(日) 19:03:57 |
  2. URL |
  3. しづ
  4. [ 編集 ]
あら。薪さんは波多野ちゃんが好きなんですね? そう来ましたか、さすがイプさま。
わたしは波多野ちゃんは、岡部さんとお似合いだと思ってました。

「あと5歳若ければ」なんて年の差を気にしている薪さんが、自分より年上の岡部さんが波多野ちゃんのハートを射止めていることを知ってガーンてなったら面白いのに~ww

しづさまへ

  1. 2017/08/29(火) 23:12:27 |
  2. URL |
  3. 第九の部下Y
  4. [ 編集 ]
続けてのご来場ありがとうございます。

> あら。薪さんは波多野ちゃんが好きなんですね? そう来ましたか、さすがイプさま。
> わたしは波多野ちゃんは、岡部さんとお似合いだと思ってました。

いやー、どっちかなあ(どっちでもなくて宇野とか小池だったりして)。岡部さんでもいいんですけど、サイズ感がねえ。夫婦生活が大変じゃないかと思って。薪さんと並べると可愛い感じだし。

でも薪さんも、「雪子さん」だから警戒してたけど、案外、背の高い女性でもお構いなしだったりするかもしれないし、なんとも分かりませんなあ。雪子さんよりでかい女性とつきあったりするのも面白そう。
(雪子さんがなんて思うか知らないけど・・・)

>
> 「あと5歳若ければ」なんて年の差を気にしている薪さんが、自分より年上の岡部さんが波多野ちゃんのハートを射止めていることを知ってガーンてなったら面白いのに~ww

それが分かったら、きっとうちの薪さんは、とっとと諦めちゃいそうです。岡部さんと女を取り合うなんて・・・。
昔は、「薪鈴木雪子」、次は「薪青木雪子」、今度は「薪岡部波多野」 薪さんはどうしていつも三角関係になってしまうのでしょうか!?

コメントありがとうございました。
 
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Author:第九の部下Y
部下Y(イプシロン)。清水玲子先生の「秘密-トップ・シークレット-」を愛するブログです。

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